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2006年 03月 05日

ゴリラとライオン

ある日仕事にあぶれたパント・マイムの芸人が動物園にやって来た。
金を稼ごうと路上で芸を始めたのだ。
しかし、お客が集まり始めるとすぐに園長がやって来て彼を事務所へ引っ張っていった。

事務所で園長は、
「動物園一の呼び物だったゴリラが急に死んでしまって、このままお客が減ってしまうのを恐れているんだ。代わりのゴリラが手配できるまで、衣装を着てゴリラになりすましておいてくれないか?」
と、芸人に仕事を申し出た。そして芸人は仕事を引き受けた。

こうして次の朝から彼はゴリラの衣装を着て、お客がくる前にゴリラの檻に入った。
始めてみると、最高の仕事だった。
好きなときに眠れるし、遊べるし、お客をからかうこともできた。
こうして彼は、本業のパントマイムをやっている頃には集められなかったぐらいたくさんのお客を集めていた。

でもそうこうしているうちに、お客もゴリラに飽きてきたし、彼の方もタイヤを揺らせているだけではつまらなくなってきた。
気がつくと、隣のライオンの檻の方が人気が出ている。
せっかく得た人気を失いたくなかった彼は檻に登って仕切りの上を腹這いで進み始めた。
そしてついにはライオンの上までいってぶら下がった。
こんなことをされてライオンはたいそう怒ったけど、お客は大喜びだった。
この様子を見ていた園長は彼に昇給を約束してくれた。
このアトラクションをたいそう気に入ってくれたのだ。

さて、こんな調子で何日かが過ぎていった。
彼は相変わらずライオンを冷やかしたし、お客の数は増えていたし、彼の給料も上がり続けていた。
そんなある日、最悪の事態が起きた。
怒り狂ったライオンの上でぶら下がっていた彼だが、滑って落っこちてしまったのだ。
彼は恐怖におののいている。ライオンが近づいてきて今にも飛びかかろうと身構えている。
彼は檻の中をグルグル逃げ回りだしたが、ライオンはピッタリ後ろに迫っていた。
とうとう彼が「助けてくれ~」と大声で叫び出したとたん、ライオンに飛びかかられてしまった。
仰向けに組み伏せられた彼が怒っているライオンに目をやると、ライオンが話し始めた。

「しゃべるな!このマヌケ。2人ともまた失業したくはないだろう?」

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