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2006年 01月 20日

近所の銭湯に行ったら
「兄ちゃんイイ身体してんなぁ」
と干物みたいに萎びた爺様に声を掛けられた。
スポーツしたこともないもやしっ子な俺の何処を見てそんなことを言うのかと訝しんでいたら、爺様はやおら俺の背中を撫で回して
「いやぁイイ背中だ。キメの細かい女みてぇな肌だ」
とナントモ色んな意味で怖いことをおっしゃるではないか。
もう心の中では『うわぁぁぁぁぁぁ』が駆けめぐってましたよ。
一刻も早く逃げ出したかったが、爺様の枯れ木みたいな腕が信じられないほど強い力で俺の手を掴んで離さない。
「どうだぁ?この後、俺んちこねぇか?」
このままではテイクアウトされてしまう! 焦った俺が苦し紛れに吐いた言葉は
「ぼ、ボクは痔なんですぅっ!!!」
爺様のしわくちゃの顔にポカーン(゚Д゚)とした表情が浮かび、そして次の瞬間にはスパーンッ!と銭湯中に響き渡るような快打を後頭部に戴いた。
「ばぁかたれぇ!勘違ぇるにもホドがあんぞ小僧っ!!」
そう吐き捨て、やおら湯から立ち上がると
「おらっ!名刺代わりだ、拝んどけっ!!」
と自分の腹を、見事な阿弥陀如来が彫られた腹を俺にズイッと突きつけた。
爺様は如来の顔を平手でパンッと一つ打ち
「わかるか?これぁ自分で彫ったもんだ。難しんだぞぉ自分の腹に彫るのぁ」
そして再び、俺の背中を撫で回すと
「長年この仕事やってるが、こんなイイ背中の男は一人としていなかった。もう腕が疼いてしょうがねぇ。ロハで良いから、おめぇの好きな紋入れてやんぞ」
掘られるのもイヤだが彫られるのもご勘弁!
風呂の床に平身低頭して「堪忍してください」と泣きを入れ、爺様が油断した隙に、半ば裸のまま銭湯から逃げ出した。
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